障害者雇用として就職活動を始める方の疑問の一つとしては、「どのような資格を取得すれば就職活動に役立つのだろうか?」が挙げられると思います。
資格取得を目指す上で考えるべきことは、汎用的な資格を取得したいのか、それとも専門的な資格を取得したいのかになります。
汎用的な資格としては、幅広い職種で役だったり、一定の評価をして貰いやすい資格と言えます。
専門的な資格としては、言葉通りですが、特定の職種のみに大きく貢献してくれる資格になります。
ここでは、前者の汎用的な資格であり、障害者雇用の求人が多い事務職に貢献しやすい資格について紹介して行きたいと思います。
専門的な資格については、すでにやりたい仕事が決まっていてる人が目指すべき資格になるので、ここでは述べない方向で行きたいと思います。
障害者雇用の事務職に役立つ資格とは?
まずは、一般雇用を前提にした人気のある事務職の資格としては、
・日商簿記検定
・MOS
・医療事務などの資格
・秘書検定
・宅地建物取引士
・TOEIC
上記が人気の高い資格になります。障害者雇用として働きたい方が上記の資格を取得することができるのでしたら、アドバンテージになる可能性があります。
直接仕事に関わる資格ではなくても、その資格を取得できるだけの能力があることは示せるので、取得しておいて損はないと言えます。
ただし、不動産業界で働くつもりが無い人が、わざわざ宅地建物取引士を取得したり、英語に関わる仕事をする気が無いのにTOEICの勉強をして高得点を目指すのは……不効率と言えます。
健常者と同じように働くことができ、少しでも高収入を目指すなら話は変わってきますが、まずは簡単な事務職の仕事に挑戦して行く事を考えている人は、取得しやすく、事務職の資格の中で特に汎用的な資格を取得するべきと言えます。
人気が高いのがMOSといった、マイクロオフィス製品のソフトを一定のスキル修めていることを示す資格になります。
事務職をする上でパソコンのスキルは非常に大切です。
郵便物の仕分け、ファイリング、清掃といった、パソコンスキルが不要な簡単な仕事を提示してくれる企業もあるので、絶対に必要不可欠という訳ではありませんが、事務職として働ける幅を大きく増やしたいのでしたら、ワードやエクセルがある程度できるようになっておくことをオススメします。
就労移行支援事業所といった支援機関などでも、MOSの資格取得のサポートなどをしていることが多く、それだけ取得しておいて損のない資格として判断されています。
最近は、障害の有無関わらず、パソコンを持たない若者が増えているので、企業側としても、ワードやエクセルが使えるのかどうか、大きな懸念事項だったりします。
面接では使えると言っていても、電源を入れることさえできないような人物だった……なんてことも、本当に起こっているようです。
そのため、MOSに限らず、パソコン関連の資格を持っていることは、企業にもよりますが、一定の評価を受けやすい……というよりも、安心させる材料になると思っていただければと思います。
経理を目指すなら日商簿記3級を目指す
事務職として幅を広げたいのでしたら、日商簿記検定3級の取得を目指しましょう。
経理を目指さなくても、簿記検定3級以上は、「とりあえず資格の欄に記載しておけばいい」と言われる資格の代表になります。
もちろん、経理を目指さないのでしたら、「余裕があれば」程度で十分です。
ただし、就職した事務職で仕事を増やしていきたいのでしたら、日商簿記検定3級の資格を取得しておいて損はないと思います。
雇用者側も、簡単な事務仕事の様子を見ながら、経理のサポートを任せるか否かを考える際の材料の一つすることもあると思います。
取得難易度としては、3級ならそれ程高くありませんが、油断して勉強すると落ちることも珍しくない資格でもあります。
秘書検定に医療事務の資格
医療事務の資格に関しては、病院やクリニックの事務職として働く場合に役立つ資格になります(診療費の計算など学ぶことができます)。
持っていれば就職先の幅は広がりますが、MOSや日商簿記検定などと比べると汎用性は下がると言えるかもしれません。
秘書検定に関しては、社会人としてのビジネスマナーや文章の作成、来賓の対応などを学んだことを証明する資格になります。
汎用性は高いですが……ビジネスマナーなども知識だけあっても、なかなか身につかないものになるので、働きながら学ぶことが多いのではないかと思います。
これに関しては、私の個人的な意見になりますが、もし取得するなら、やはりMOSといったパソコンの資格を優先した方がいいのではないかと思います。
もちろん、秘書検定を積極的に取得してもいいと思いますよ。
資格よりも大切なことが沢山ある
資格を持っていると、応募できる求人が増えますし、キャリアップして行きやすいです。
しかし、採用されやすいかと言われると話は変わってきます。
企業側が障害者雇用をする際に特に気になるのが資格の有無ではなく、
・応募してくれている方の障害を自社側でフォローして行ける環境を作れるか
・雇用したはいいが、欠勤続きになったりしないか
・無断遅刻などするような方ではないか
・こちらが用意できる仕事で問題ないか
・仕事を通して障害が悪化したり状態ではないか
・ビジネスマナー身に着けられる人か
上記のような点になります。
資格の有無に関しては、人事側が上記の不安をクリアした後に考慮する点だと思った方がいいです。
そのため、選考を通して、自分の障害についてしっかりと説明できるようになる事と、あなた自身が自分が何ができるのかをしっかりと把握して説明できることが大切です。
また、病院に通い、服薬などが必要なら、服薬による副作用、通院のための勤務時間に対する配慮なども、自分で説明できるようになっておくべきと言えます。
ビジネスマナーやどれくらいの能力があるかなども、面接を通して伺うことができますし、採用を決める前段階の職場体験や実習から読み取られます。
資格があったとしても、実際に職場体験や実習で力を見せることができなかえれば、意味がないことは覚悟しておきましょう。
問題なのは無断遅刻や無断欠勤をしないといった点ですが、その点も実習や職場体験などから判断されると思っていいと思います。
就労移行支援事業所などを利用する
障害者雇用の就職活動をするなら、就労移行支援事業所の利用も考えましょう。
通所施設になるので、休まずにしっかりと通う実績を作れば、就職した後に欠勤が続くといった採用企業側の不安を軽減させることもできます。
また、就労移行支援事業所も多数の求人を扱っていますし、採用までのサポートもしてくれます。
面接の練習などをしてくれますし、仮に自分では伝えきれないことがあっても、支援機関のスタッフの方が代わりに企業側に伝えてくれることもあります。
また、企業側も障害者雇用の採用に不慣れなことがあるので、支援機関が間に入ることで、ミスマッチな採用を減らす事ができると言えます。
企業によって支援機関が間に入った採用活動しかしないこともあります。
そのため、障害者雇用で働きたい方は利用を検討してみるとよいと思います。