国の機関による障害者雇用の水増しが与える影響と今後

2018年8月28日に、厚生労働省が各省庁を再点検した結果として、内閣府、総務省、法務省、環境省、人事院、財務省、厚生労働省など全体の27機関で障害者雇用の水増がなされていたことが判明しました。

今年(平成30年4月)に、達成すべき障害者雇用の法定雇用率を段階的に引き上げて行くことが決まったばかりの判明となります。

引き上げ率としては、現行では、民間企業は2.0%から2.2%に、国、地方公共団体などは、2.3%から2.5%へ、都道府県などの教育委員会は2.2%から2.4%という数字でした。

水増が判明する前までの、中央省庁の法定雇用率は2.49%と高い数字を誇っており、障害者雇用数も6867.5人でしたが、判明後は3407.5人とほぼ半数しか雇用していないことが分かり、法定雇用率も1.19%と、達成することが義務付けられている法定雇用率を全く達成できないという事実を世間を示す結果になりました。

水増になった理由は、明確にはされていませんが、チェック体制がずさんだったことが挙げられており、故意ではなかった……といされていますが、ずさんなチェック体制だったのは、「暗黙の了解」だったのではないのかという疑ってしまいます。

もちろん、省庁によっても水増になった理由は違うと思いますし、本当に故意ではなかったかもしれません。

しかし、故意なのではないかという疑いをかけられる程に、国の機関の障害者雇用に対する姿勢に疑いを持ってしまうような結果になってしまったことだけは確かでしょう。

また、行政だけではなく、立法機関の法定雇用率も2.36%から1.31%に、司法機関でも、2.58%から1.97%という修正をなされています。

つまりは、行政、立法、司法ともに、水増をしていたことになります。

しかも、その期間は42年間にも渡るとされています。

42年間にも渡って、国は知ってか知らずか分かりませんが、自分達は障害者雇用の水増をしながら、障害者が民間企業でも働けるように活動していたと思うと……本気で障害者雇用を推し進めたいのかと疑ってしまうことになっても仕方がないと言えるかもしれません。

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地方自治体でも水増しが発覚している

地方自治体でも障害者雇用の水増があったことかが、続々と発覚する事態にもなっています。

共同通信の集計では、8月29日の時点で37府県で水増があったことが判明しており、他にも政令指定都市を含む14の県庁所在市と2政令市でも不適切な算定をしていたことが判明しています。

これだけの水増があると、やはり暗黙の了解による算定があったのではないか……と思ってしまいますよね。

ただし、中央省庁同様に、地方自治体も、不適切な算定方法による水増しがあったことが判明し、法定雇用率が下がった事と、世間からの注目から、障害者雇用の採用に積極的になることが見込めます。

今公務員を目指す障害者の方にとってはチャンス

水増しによる不信感は大きいと思いますが、一方で公務員を目指す障害者の方にとっては、チャンスとも言えます。

中央省庁は、障害者雇用の水増し問題を受けて、障害者向けの統一採用試験を導入することを決めました。

中央省庁全体の障害者雇用の不足は約3400人になります。

現時点では、まだ、統一採用試験の概要は分かりませんが、もし公務員を目指しているのでしたら、試験の内容や日付の確認は忘れないようにしましょう。

来年末までに法定雇用率を満たす雇用を満たしているようですが、予定通りいくかは各省庁次第と言えるので、法定雇用率を満たすまでは、公務員になるためのチャンスは多くなるかもしれません。

また、非常勤から常勤へのステップアップができる環境の整備も同時に進めて行くともされています。

地方自治体に関しても、水増しが判明したことから、直近の試験での採用数が増える可能性があります。

水増しの穴埋めと思うと少し思うところはあるかもしれませんが、チャンスはチャンスです。

公務員を目指す方は、これからの障害者向けの公務員試験の動向から目を離さないようしましょう。

なお、公務員試験に関しては

⇒障害者が公務員になるのは難しいのか

でも述べているの参考にしてみてください。もし、統一採用試験についての新しい情報が発表されたら、上記のリンク先の記事で追記して行きたいと思います。

民間企業に与える影響と今後

国が障害者雇用の法定雇用率を満たしていないのに、民間企業に障害者雇用を増やして、法定雇用率を満たせと言えるかと言われると……企業からしたら、まずは自分達が法定雇用率を満たせよと思ってしまうのが本音になるかもしれません。

そう考えると、まずは国の機関や自治体が法定雇用率を満たすことが先決になるかもしれません。

ただし、水増しがあったからといって、平成30年4月1日に示した法定雇用率の上昇が撤回される訳ではありません。

国としては、何としても素早く達成しようとするはずです。

どんな理由があったにしろ、水増があったことは障害者に対する裏切り行為とも言えます。一方で、障害者雇用に対しての注目度が上がっているのも事実です。

国側も、自分達の不始末を挽回するために、障害者雇用をより積極的に推し進めようとするはずですし、二度と水増しが発生しない仕組みも構築しようとするはずです。

特に怖いのが、民間企業側でも、チェックの体制にずさんがあり、水増しが起こっているケースになります。そういった危険を回避するためにも、チェック体制の仕組みが見直されるかもしれません。

民間企業側も、前述した要に、心の中では国が水増をしていたのに……と思うかもしれませんが、障害者雇用の推進が消極的になるとは思っていないはずです。

そうなれば、行政の信頼が大きく損ねることに繋がりかねないからです。行政側が法定雇用率を満たしたら、更に厳しく民間企業に障害者雇用をするように言ってくることが予想できます。

そのため、民間企業の求人が大幅に減ることは無いかと思います。

ただし、障害者雇用の水増しをしていた分をどうにかするまでは、国側の障害者雇用に対する対応は少し停滞するかもしれません。

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