軽度でも知的障害を抱えていると、一般雇用枠で働いて行く事は難しいです。
そのため、軽度の知的障害で、高校・大学を何とか卒業できても、基本的には知的障害の情報をクローズせずに、オープンにして、障害者雇用として就職活動をするの方が良いです。
やはり、軽度の知的障害でも、面接場で周りと比較されると、一般雇用の面接を突破するのは難しいですし、仮に採用されたとしても、周りから配慮されずに、健常者と同じ能力を求めらえるので、長続きしない傾向があります。
また、就職活動が上手く行かずに、うつ病といった2次障害を発症させるリスクもあるので注意した方が良いです。
障害者雇用なら採用されやすいのか
障害者手帳である療養手帳(自治体によって名称は異なります)を持っていれば、障害者雇用として就職する事は可能です。
そして、障害者雇用なら採用されやすいか否かと問われると、やはり軽度と重度の知的障害者でしたら、軽度の知的障害者の方が好まれるのは事実です。
会社としては、障害者雇用で健常者に近い障害者を採用できる方が、業務の効率面や人間関係の構築をして行く面でもプラスが大きいからです。
ただ、障害者雇用でも競争率の高い会社は存在します。
特に大手の求人であり、技術職といった経験や技術が課せられているハードルの高い求人ではなく、条件が緩い求人になると、やはり障害者雇用とはいっても人は集まります。
なお、一番採用されやすいのは、身体障害者になります。
もちろん、障害の重さにもよるので、身体障害者だからといって一概に採用されやすい訳ではありません。
しかし、全体の就業割合を見ると、身体障害者が約7割前後、知的障害者が2割前後、そして精神障害者が5%前後であると事を考慮すると、身体障害者の方が会社には好まれやすいと言えるかもしれません。
知的障害者が採用されやすい職場とは
事務系や技術職系は、やはり覚える事が多いので、採用される可能性は低いと言えます。
ただ、軽度なら簡単な事務処理は出来る可能性もあるので、雑務を細分化して、仕事を割り振る事ができる大手の企業や特例子会社なら採用して貰える可能性はあるかもしれません。
逆に知的障害者の採用率が高いのは、やはり工場や倉庫の作業職や飲食店といったサービス業が多いです。
作業職やサービス職は、マニュアルを整備すれば、学習障害を抱えていても、比較的に働きやすことから、知的障害が馴染みやすいと言えます。
また、知的障害者の人を受けいれている実績が多い職場ですと、配慮なども行き届いているといったメリットもあります。
職種に関しては、本人の能力によっても左右されるので、自分に合った求人を最終的には選ぶべきと言えるかもしれません。
知的障害者が応募できる求人が見つからない
知的障害を抱えている人の多くは、特別支援学校に通うので、知的障害者を採用している会社の多くも特別支援学校に求人を持って行く事が多いです。
そのため、健常者と同じように高校・大学と通った人の中には、特別支援学校に通わなかったことを後悔する人も少なからずいらっしゃいます。
ただ、特別支援学校にしか求人が無い訳ではありません。
ネットの障害者雇用の求人では、なかなか探せなくても、ハローワークや就労移行支援事業所といった支援機関なら障害者雇用を進めている会社の求人が持ち込まれます。
会社側も、障害者を採用する上で、支援機関に協力して貰いながら進めたいので、必然的に特別支援学校や支援機関に求人は集まります。
ハローワークでしたら無料で利用できますし、要件を満たせば就労移行支援事業所といった支援機関も無料で利用することができます。
もし、なかなか応募できる求人が見つからないようでしたら、積極的に利用することを検討してみてはどうでしょうか?
無理をせずに働くようにする
軽度知的障害者の中には、頑張れば健常者のように働けると、障害者手帳を使用せずに、一般雇用として働こうとする人もいらっしゃいます。
この姿勢を否定するつもりはありません。
ただ、軽度でも知的障害を抱えていると、やはり健常者と同じように仕事をしようとすると、必要以上の時間と労力が掛かりますし、並大抵ではないストレスも掛かります。
仕事は何十年も続て行くので、常に頑張り続けていると体か精神に支障をきたすことにもなります。
最初に述べたように2次障害の原因にもなります。
そのため、無理をして働くのではなく、国の支援制度を十分利用して、就業するようにしましょう。