精神障害を抱えている人の中には、障害を隠しながら就職活動をしたいと思っているも少なからずいらっしゃると思います。
給料が低い障害者雇用ではなく、一般雇用として働きたいという理由から精神障害であることをオープンにして就職活動することを避ける人もいらっしゃると思います。また、身体障害者や知的障害者と比較すると、障害者雇用でもなかなか採用されにくいという点もあるかもしれません。
実際には障害者雇用の内訳をみると、全体の7割以上が身体障害者で、知的障害者が2割そして精神障害者は1割以下となっています。
このことからも、精神障害者の障害者雇用が、まだまだ企業に浸透していないことが分かると思います。
精神障害者が障害者雇用で避けられる理由
精神障害に関しては国のサポートが遅れていることもあり、企業が採用するメリットが少なく、受け入れる体勢を整えている企業が少ないことが採用率が低い理由の一つになります。
そして、もう一つの理由が、やはり精神障害者を受けいれるための環境を作る事が、企業にとって負担になりやすいと言えます。
身体障害者でしたら、障害によって発生するリスクや仕事する上でのサポート体制が整えやすいですし、知的障害者に関してもマニュアルの整備などで対応することができます。
また、採用数が多いので、比較的に企業側が対応方法を調べやすいと言えます。
一方で精神障害の場合は、どのようにサポートすれば良いのか明確に判断する事が難しいですし、パニック障害などの場合は発作が起きた際のリスクが非常に高いと言えます。
労働者個々の心のケアや配慮、そして体調面は、マニュアルや設備の充実、社員の理解だけでは簡単に防げないと言えます。
そのため、企業によっては応募書類の段階で精神症を抱えていたら不採用にする事も多いと言えます。
精神障害を隠しながら就職活動する事のリスク
精神障害を隠しながら一般社員の求人に応募する人は少なくありません。
実際に、精神障害を企業に隠しながら働く人はいらっしゃいます。
ただ、障害年金を貰っていると、年末調整などでバレる可能性があります。就職前から貰っている場合は、就職後に障害が発生した…といった言い訳ができなくなるので、経歴詐称などで懲戒解雇の理由になることもあるので注意は必要です。
もし、そのようなリスクが無いのでしたら、障害を隠しながら一般雇用で働けるように就職活動をして、採用してもらい、仕事をしていくことを選んでもよいと思います。
バレる以外のリスクとしては、やはり障害に対して配慮して貰えない点になります。
障害者雇用として働く場合は、通勤時間を遅くしてくれたり、長時間労働にならないように、残業のないようにしてくれることもあります。
また、病院の通院のための時間だったり、服薬による眠気といった理解を求める事も出来ると思います。
逆に言えば、一般雇用として働くとなると、上記の配慮は望めません。自分自身で解決して行く必要があります。薬の服薬に関しても、周りにバレてしまわないように注意する必要が出てきますし、服薬による眠気などで、仕事にミスが生じてもあなたの自身の責任になります。
そのため、あなた1人の力で、障害と折り合いをつけ、その上で周りにバレないように働いて行く事が求められることを覚悟した上で、障害を隠して就職活動するようにしましょう。
人によっては、障害を悪化させる結果になって、短期退職になることもあるので、就職した後も、「このままで続けても大丈夫か?」と考える事は忘れず、必要に応じて障害者雇用として働く選択肢は捨てないようしておくことをオススメします。
最初に述べたように精神障害者の方が、障害者雇用として就職することは簡単ではありませんが、少しずつ採用は増えています。
精神障害者の障害者雇用は少しずつ改善している
2018年の改正で精神障害者が法定雇用率に算定されるようになることから、ほぼ確実に法定雇用率が上がる事が予想されています。
ただし、少子高齢化の影響の影響で、身体障害者や知的障害者の採用だけでは法定雇用率が達成できない企業が増加する可能性が高いとされています。
全体の割合では精神障害者の雇用は少ないですが、厚生労働省が発表している雇用状況のグラフを確認すると、身体障害者や知的障害者は横ばいに近いですが、精神障害者は大きく増加している傾向があります。
もともとの採用数が少ないので、まだまだ雇用は進んでいませんが、確実に障害者雇用として働けるのチャンスは増えています。
そのため、障害者雇用で雇用されにくいから、障害を隠して一般雇用を選ぶ前に、支援機関や障害者のための求人サイトなどを利用してみるのも良いと思います。
ハローワークに掲載されていないような求人も多いですし、サポート体制も整っている企業やサイトも多いです。
もし、興味がありましたら下記の記事を参考にしてみてください。