発達障害者が障害者雇用で就職するには、障害者手帳が必要になります。
発達障害は、自閉症、アスペルガー、注意欠如、多動性障害、学習障害などになります。
そのため、障害者手帳は療養手帳と精神障害者保健福祉手帳のどちらかになると思います。
※療養手帳:自治体によっても条件は変わりますが、一般的に知的機能の障害が日常生活に支障を与えている人に渡されます。
※精神障害者保健福祉手帳:精神障害や発達障害によって日常生活や社会生活に支障・制約を与えている人に渡されます。
軽度の発達障害の人の場合は、就職活動を始める時期まで自分が発達障害と気づかず、医師に診断されても、自分を発達障害と認めて取得を躊躇う人もいらっしゃいます。
障害者雇用枠で採用される事に関しては、メリットとデメリットがあります。
詳しくは、発達障害者は障害者雇用枠か一般雇用枠 どちらを選ぶべきかでも述べているので、悩んでいる人は参考にしてください。
ここでは、障害者雇用の就職活動を成功させるための進め方について述べて行きます。
焦って就職活動を始めない
自己分析や企業研究などをすっ飛ばしてたり、軽くみていると障害者・健常者関係なく面接で落とされますし、仮に採用されてもミスマッチが発生して短期退職することになります。
そのため、一つ一つ就職活動のステップを踏んでいきましょう。
自己分析で自分を知る
就職活動をする上で大切なのは、自分の適正を考えた上で仕事内容や職場の雰囲気を選ぶ事です。
そのため、あなたの得意な事、苦手な事、仕事で求める事などを紙などに記載して行きましょう。
特に発達障害を抱える人は、興味のある事や得意な事に関しては健常者よりも集中力を高める事ができる人もいますし、得意な事に関しては一切のミスをしないケースもあります。
逆に苦手な事に関しては、なかなか集中できませんし、集中できないと覚えることも難しです。そして、これは健常者でも同様です。
また、集中できる条件も個人によって変わってくるので、自分が集中できる環境に関しても考えてみてください。
狭い部屋のほうが落ち着くのか、それとも広々とした空間のある部屋の方が集中できるのか、また人は多い方が良いのか、逆に少ないの方が良いのか…会社を選ぶ際の参考にもなるので、改めて思い返してみてください。
このような自己分析を伝えれば、会社側も配慮する事ができるので、就職後のストレスを少なくさせることができます。
自分の障害について理解をする事が気が重くなるかもしれませんし、なかなか自分の得意な事も思い浮かばないかもしれません。
ただ、安心して欲しいのは、健常者だって自分の得意な事なんて簡単に思い浮かびません。逆に苦手な事ばかり思い浮かびます。
そのため、なかなか思い浮かばないなら、両親や兄弟、仲の良い友人などに相談してみてください。
第三者の意見は自分の意見よりも正確な事も多いので、あなたの助けになると思います。
また、条件が揃えば集中を高めることができたりするのも、十分長所になるのも忘れないでください。
どのような会社・仕事があるのか知る
障害者雇用をしている会社を知る場合は、就労移行支援事業所、発達障害支援センター、ハローワーク、生活支援センター、障害者職業センター、相談支援事業所、精神保健福祉センター、障害能力開発校など様々です。
また、転職サイトでしたら、大手のリクナビNEXT、マイナビでしたら、障害者雇用をしている会社を探すこともできますし、障害者雇用に特化した転職エージェントもあります。
一般雇用に比べると比較にならない程に障害者雇用の枠は少ないですが、それでも最近は少しずつ増えています。
1つ2つの媒体しか使うのではなく、複数の媒体を利用して多くの求人を確認して、どのような会社があって、仕事があるのか確認してみてください。
そして、自己分析を参考にして、やりたい仕事、興味が持てる仕事ができる会社の求人をピックアップしてください。
私のオススメとしては、就労移行支援事業所(機関)を利用することです。会社側も、障害者を採用する上で、支援機関のサポートを期待している事が多いです。
やはり、まだまだ発達障害といった障害持ちの方の採用をして育成していくノウハウが成熟していない会社は多いので、どうしても会社側も障害者と自分達の間に入ってサポートしてくれる機関のサポートを欲しがります。
そのため、採用される可能性を上げる事を考えるのでしたら、就労移行支援事業所の利用を検討してみてください。
また、支援プログラムなどを必要なく、優良企業の求人の紹介や相談などをしたい人でしたら、障害者の求人に特化した転職エージェントを利用するのも良いと思います。
特に能力面では健常者と同じように働けるのでしたら、転職エージェントで求人を探した方が、素早く、そして待遇の良い求人が見つかるかもしれません。
トレーニングを受けるかどうか考える
必ずしも必要というわけではありませんが、本人の発達障害の種類や程度によっては、就労移行支援事業所などで障害者に特化したトレーニングを受けるか相談しても良いと思います。
求人の斡旋もしているので、今の自分でどのような求人に応募できるかも相談してみてもよいと思います。
また、会社側も就労に向けて、スキルを高めるためにトレーニングなどをしている人の方が、採用後に離職する可能性も低いですし、仕事を覚えようという姿勢も期待できると感じる事が多いです。
もちろん、最初に述べたように発達障害の程度や、目指す業務によっては必ずしも必要と言う訳ではないことも忘れないでください。
面接と実習
障害者雇用でも面接はありますし、会社によっては筆記試験で仕事をする上で求める能力を持っているか確認することもあります。
そのため、就労移行支援事業所などを利用して、模擬面接や履歴書の書き方などを学んでおくと有利です。
ハローワークなどでも模擬面接は受けれますが、やはりハローワークと専門機関で蓄えている情報量が違うので、個人的には専門機関を利用した方が良いと思っています。
そして、実習に関しては会社によってあります。
やはり、実際に職場で仕事を通して、コミュニケーションを取って働いてみないと分からない点はあります。
会社としては面接では任せるられると思った仕事でも、会社側と求職者側に齟齬があって、任せる事が難しいといった結果になることもあります。
これは、会社だけではなく、障害者雇用で採用される本人にとっても出来ない仕事を任せられるリスクを回避できるメリットにもなります。
また、職場を実際に見る事で、集中できる職場か、社風に合った働き方ができるかといった点を確認する事ができます。
そのため、お互いのためにも採用が決定前の実習はあった方が良いですし、大切と言えます。
採用がゴールではなくスタート
無事採用されたら一安心したくなるのは仕方がありませんし、しっかりと自分を褒めてください。
ただ、会社に採用されるのはゴールではなく、社会人として働くためのスタートになります。
仕事は、これから先の人生の多くを占める事になると思います。いえ、あなたならきっと、歩み続ける事ができるはずです。
もちろん、必要なら時には休んでも良いですし、転職しても良いと思いますが、決して障害を理由にして「自分は働けない」と思わないようにしてください。
仕事をしていると、仕事が上手くいかなくって不甲斐なく感じたり、人間関係の悩みで頭を抱える事もあると思います。
ただ、そのような悩みは障害を抱えているか問わずに、働いていれば誰にでも立ちふさがる悩みや不安になります。
自分一人で立ち向かう必要はありません。
社内の信頼できる上司に相談しても良いですし、支援事業所・機関と定期的にされる面談で相談しても良いと思います。
もちろん、家族に相談しても良いと思います(甘やかされ過ぎないようしてくださいね)。
誰にとっても仕事を継続していくというのは、非常に大変で、長い道のりになります。だからこそ、辛いときの対処方法やプライベードのガス抜きも大切にしながら、仕事を継続して行きましょう。