精神障害…大別するとうつ病といった気分障害、パニック障害、適応障害といった不安障害、そして発達障害も一部含まれます。
薬などである程度で障害の症状をコントロールできるものが多いですが、一方で完璧にコントロールすることはできません。
また、症状が落ち着いていても、仕事のストレスや疲労などで症状が再発するリスクもあります。
そのため、働かないという選択肢もあります。障害年金や生活保護、親の支援が無くても生きていくことはできます。ただ、生活に余裕は生まれない可能性が高いですし、働く事が不安でも、やはり社会に出て働きたいと思っている人も多いと思います。
実際に、仕事をしたくても踏み出せない状況もストレスがたまるものです。
そして、この記事を読んでいるということは、不安ながらも働きたいと思っている、精神障害を抱えている人が多いと思います。
働きたいと思った時が行動する時
あくまでも障害が寛解の状態になっている事が前提ですし、主治医の方とも相談すべきですが、あなたが働きたいという強い思いがあるのでしたら、まずは行動を始めてみると良いと思います。
前述したように仕事ができないと社会から切り離された気分が強まり、ストレスがたまったり、人生に対して悲観する時間が増えるケースに陥ることもあるからです。
もちろん、仕事が全てではありませんが、仕事に従事することや、仕事を通しての出会いを楽しみたいという気持ちは決して否定される思いでもありません。
そのため、もし働きたい本気で思っているのでしたら、主治医や家族と相談した上で、就職活動中、そして就職に成功した後に症状が悪化していないか主観と客観の両方で判断しながら行動していくと良いと思います。
注意点としては、障害が回復に向かい、まで落ち着いていない時期…寛解前に無理をする事です。
症状が回復し始める時期は、非常に希望が湧く時期でもあるので、無理をしやすい時期でもあります。ただ、自分では気づく事が難しいので、周りの声にはしっかりと耳を傾けるようにしましょう。
精神障害は採用されやすいのか
精神障害は残念ながら身体障害や知的障害に比べると、採用されにくい障害になります。理由としては、すぐに退職する恐れだったり、突然職場で暴れたりするのではないかと思われてしまっている事があるからです。
実際に雇用して、しっかりと配慮すべき点などを意思疎通して行けば、健常者のように働く事ができても、実際に就職するまでのハードルが企業にとって高い事が多いのです。
また、国も身体障害者や知的障害者の雇用に力を入れていたので、精神障害者のモデルケースが少ないのも採用が少ない理由と言われています。
ただ、最近は2018年4月の法定雇用率の変更もあってか、精神障害者の就職率は高くなっています。
そのため、決してチャンスが少ないわけではありません。
支援機関を通して企業の不安を解消して貰う
就労移行支援事業所などの支援機関を利用して、企業に「働く準備が整っている」ことを前提に紹介して貰うことで就職できる可能性を高めてくれます。
実際に、企業側の中には、支援機関を通してしか障害者雇用をしない企業もあります。これは、いざという時に支援機関にアドバイスを貰ったりすることができたり、本人に聞きにくい点を支援機関から聞く事が出来たりするからです。
これは利用者も逆側の立場から享受できるメリットと言えます。
やはり就職活動から伴走者がいると、分からない点、不安な点、そして就職後のトラブルの相談と就職活動から就職後も負担を軽くしてくれます。
そのため、障害者雇用による就職を目指すなら利用を検討してみると良いと思います。
就職はスタートであることを忘れない
一番辛いのは、就職後だと思いましょう。環境が変わるので、どうしても疲労とストレスは溜まります。
また、薬などで症状をコントロールしている場合は、薬の影響で眠気などの副作用が起こることもあるので、服薬のタイミングや職場の理解を求めることは忘れないことをオススメします。
また、どうしても調子が悪い時も出てくるので、その際の対応なども話し合う必要がると言えます。
個人的には、最初は短時間で働きながら、徐々に勤務時間を増やしていける職場で働く事をオススメします。
就職はゴールではあく、スタートなのですから、しっかりと障害を悪化させずに働いていくことが大切なことを忘れないようしましょう。
焦らずに何をしたいのか考える
ここまでは、仕事をする事を前提に話してきましたが、最初に述べたように働ないことも一つの選択肢です。
障害によっては、どうしても仕事をする事が難しいこともあると思います。また、無理をして障害を悪化させてしまう人も残念ながらいらっしゃいます。
それだけ、障害と付き合いながら仕事をすることは難しいです。ただ、上手く付き合って周りに信頼されながら働いている人もいらっしゃいます。
障害を気にして働かない選択をするのも、働く選択をするのも、どちらが正しくて、間違っている訳でもありません。
そして、どちらを選ぶにしても、自分の体と心を大切にするようにしましょう。
また、周りの意見に従う必要はありませんが、あなたの事を心配してくれる意見にはしっかりと耳を傾けて、その上であなた自身の責任で結論をだすようにしましょう。