障害者雇用をしている企業にとって、時短勤務で働く人材とフルタイムで働いてくれる人材でしたら、障害の種類や企業の配慮すべき点にもよりますが、やはりフルタイムで問題なく働ける人の方が好まれる事の方が多いと思います。
理由としては、やはり企業側はボランティアとして雇うのではなく、企業の利益に貢献してくれる人材を雇うことになるので、フルタイムとして働き、幅広い仕事をしてくれる人になって欲しいという希望もあります。
また、少し嫌な側面を言えば、法定雇用率の問題もあります。
法定雇用率とは、簡単に言えば企業に求められる障害者雇用の枠と言えます。
そして、週20~30時間と週30時間以上でカウント数は変わってきます(障害の重さでも変わりますが)。
企業としては、やはり少ない人数で法定雇用率を満たしたい傾向があるので、フルタイム…とは言わなくても、できれば週30時間以上で働いて欲しいと言えるかもしれません。
また、働く側としても、将来的に障害を抱えながらでも出世したい、自立できるだけの給料が欲しいという高い志を持っている人はフルタイムとして働き、将来的には正社員になりたいと思っている人も決して少なくないと思います。
しかし、無理をしてフルタイムで働くとなると、障害の種類や症状の重さ次第では、体や心に大きな負担を与える結果に繋がります。
体力が持つかどうか判断する
フルタイムで働いてから体力を考慮したい上で時短勤務に変えて貰う、または時短勤務として働いてからフルタイムで働けるか考慮する…といった選択肢があると思います。
ただ、法定雇用率の問題もあるので、時短勤務として働いている間に、障害者雇用として働ける枠が埋まり、あなたの時短勤務が前提の採用になっていると、少しフルタイムとして働くのが難しくなるかもしれません。
フルタイムとして働ける仕事があれば良いですが、障害者雇用同士で仕事がしっかりと割り振られてしまっていると、なかなか難しいです。
他の障害者雇用として働いている人の仕事を減らす訳にも行かないと思うので、あなたが、どれだけ健常者と同じように働けるかどうかもポイントとなるかもしれません。
逆に、フルタイムから時短勤務に変えて貰うことも簡単ではありませんが、難しいという訳ではありません。
フルタイムとして健常者と変わらない仕事をしていたのでしたら、他の社員に与える負担は重いかもしれませんが、一方で一般社員・障害者雇用として働く社員関わらずに、急に人が辞めたり、休職することは決して珍しくありません。
そのため、比較的に対応して貰えるのではないかと思います。
ただ、始めからフルタイムで働くと、無理をして障害を悪化させてしまったりする事もありますし、バリバリ働くと職場内の障害に対する配慮が低下することもあります。
そのため、見極めが難しいとも言えるかもしれません。
※私の個人的な意見も多分に含まれていますし、結局企業によりけりなので参考程度にしてくださいね。
どちらにもメリットとデメリットがあります。
個人的な意見としては、やはり入社前の段階で、時短勤務から様子を見ながらフルタイムとしても働けるか、また逆ができるかどうかよく話し合っておくべきと言えます。
企業によっては、法定雇用率に余裕を持たせていることもありますし、障害者雇用のノウハウが蓄積されているのでしたら、配慮もしっかりとしてくれる事もあります。
もちろん、そのような企業で働く事は容易ではありませんが、ある程度の配慮を積極的にしてくれる職場で働くようにした方が、キャリアも積みやすいですし、長期的に働く事ができるのも事実です。
ブラック企業に間違って入社しないように、採用して貰えればどこでも良いとは思わないでくださいね。
2次障害の危険性
障害者が仕事をする上で一番注意すべきなのは、うつ病などの2次障害や体調を崩す、障害を悪化させるなどになります。
健常者と同じような仕事ができた場合でも、体力面が追い付くかどうかは分かりません。
また、企業側も障害者側から配慮に対する細かい点や、辛く感じている点などを言葉にしてくれないと、なかなか気づけないことも珍しくありません。
そして、最悪2次障害などを引き起こしたりしたら、より働くのが難しくなることもあります。
そのため、何度も言うように無理をせず、周りも相談するようにしましょう。
企業側と相談するのが難しいなら、就職の際に仲介して貰った転職エージェントや就労移行支援事業所のスタッフなどに相談しても良いともいます。
自分の体調に気を配って働く事も社会人として大切なことである事を忘れないでください。
フルタイムとして働く事を考えている人へ
フルタイム、または時短勤務問わず、安易に就職先を決めることは絶対に避けましょう。
特に働いた事がない人の場合は、体力をどれくらい消費するのか、職場の人達との人間関係で発生する精神的な負担などは分からないと思います。
そのため、選考の中で実習・職場体験などをさせてくれるような企業を選ぶとよいと思います。
選考の過程が短く、どのような企業なのか分からないままだと、法定雇用率を満たすためだけに採用している企業に入社する結果に繋がるかもしれません。
そうなると、障害者雇用で入社したのに配慮して貰えなかったり、サービス残業などを無理強いさせてくるブラック企業だった…なんてリスクを高めてしまいます。
そのようなリスクを避けるために、入社前の選考時点で相互に理解し合えるような取り組んでくれている企業に応募する事をオススメします。
もし、障害者として就職活動をしたことがないのでしたら、障害者の求人を扱っている転職エージェントや、就職活動の講座や仕事をする上で大切になるパソコンスキルやコミュニケーション能力を磨く講座を提供してくれる就労移行支援事業所などを利用して就職活動するのもよいと思います。
きっとあなたの希望するような企業に入社できる可能性を引き上げてくれると思いますし、悩みや不安に対して真摯に応じてくれると思いますよ。